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「カネにならないこと」には価値がない?

2014.10.27 21:27|ファームの様子
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一度食べた豆苗・・・根っこを水につけていたら、こんな風にまた生えてきてくれました。わーい!♪ヽ(´▽`)/
お店がなく、生鮮食品は週に一度の生協頼みの離島暮らしでは、自分で食料を確保できることは、思いのほか大きな意味を持ちます。

この豆苗の“リサイクル”然り。道楽家庭菜園(と呼ばれる野菜作り)然り。

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いずれは「体にやさしい野菜セット」としてネットショップの商品にもしたいと考えている野菜たちですが、何よりもまず、この島の人達に、安心して食べてもらえる野菜を作って届けたいという思いでやっています。


週に二便しか定期船の来ないこの島に、生協を導入したおかげで、野菜や肉、乳製品などの生鮮食品を注文出来るようになったことはとても大きな変化であり、有難いことだと感じています。
(生協が導入される以前は、本土に住んでいる親戚や知人に頼んで送ってもらったり、鹿児島へ上った際に大量に買い込んで戻るのが一般的でした)

ただUターンで島へ戻って来た私にとって、こんなに環境豊かな島に住んでいながら、ほとんどの野菜が生協頼りというのは、ちょっと残念だなぁというのが正直な感想でした。

せめて自分たちで食べる分、島の人が食べる分の野菜は島で賄えたら・・・そう思った所から、私の野菜作りはスタートしました。

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もちろん島の方々も、自分で食べる分のお野菜を作っている人は沢山います。時にはおすそ分けを頂く事も。
ただ、想像以上に野菜作りには厳しい環境。どうしても作りやすい品種に偏ってしまうのか、各家庭で作られている野菜は大体同じものが多いのです。これでは物々交換しようにも成り立たない。

そこで、作られているのをあまり見ない(けれど需要は高いと思われる)葉物野菜を中心に、人参・玉ねぎ・じゃが芋などの常備野菜、そして私がフランスで出会って衝撃を受けた珍しくて美味しい西洋野菜達(スイスチャードやコールラビ、ビーツ、パースレインなど)・・・品種にして常時約30種類ほどの野菜を育てています。


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しかし、分かっていたこととは言え、農業はそんなに甘くない!

種と土地の力を信じようと意気込んで、ぼうぼうの荒れ地だった場所にいきなり無肥料・無農薬の自然栽培で種を蒔いても、雑草の力が強すぎてうまく育たない・・・
加えて、度重なる台風と、想像以上の多雨・強風で、露地栽培の春・夏野菜は全滅!!

島で流通させるどころか、自分の口にも入らない・・・現実の厳しさを目の当たりにしました。


『あの娘はカネにならないことばかりやっている』
そう噂されるのも一理あります。

実際、今の私の仕事でカネになる・・・即ち、現金収入に繋がるものなんて、バナナだけです。

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この点においては否定の必要もありません。

でも、カネになるからやっているのかというと、それは違う。
私にとっては、バナナ栽培・販売も、有機・固定種にこだわった野菜作りも、ヤギチーズも、養蜂も、すべて根っこは同じ思いです。


最終的な目標は、農業で“お金持ちになる”ことではなく、“みんなで幸せに暮らす”こと


綺麗事に聞こえるかもしれない。
でも、環境が違えば価値が違うのは当たり前のことなのです。

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話しが少し横道に逸れますが、
元々お金というのは、価値を図る尺度でしかなかったはずなんです。
それそのものの価値が独り歩きを始め、それを得ること自体が価値がある社会になってしまった。

都会に住んでいれば、お金があればほとんどのものは手に入ります。
物も、情報も、サービスも、セックスをする相手さえ。
けれどそれは言い換えれば、“お金がなければ何も手に入れられない”と思い込まされている社会です。
その中では、“幸せになるためにはお金が必要”なのです。

「カネにならないこと」に価値はない世界


ずっとそのことに疑問を感じ、息苦しさを感じ、“お金を稼ぐための仕事”を苦しく思う自分は、社会不適合者なんだと暗い気持ちで思っていました。

例えば、某営業の仕事をしていた頃。
何年もその仕事を続けているベテランの先輩達は一様に「カネにならない(成約しない)客と話すのは時間の無駄」と私に教えました。
たとえ最終的に契約が取れたとしても、何度も通い、時間やお金を使うのは“割に合わない”と。


私が、本当に辛くてしんどかった営業という仕事の中で、唯一好きだったのは、色んな人と話が出来ることでした。

沢山話して、打ち解けて、お互いの心に触れ合うことが出来た瞬間は、唯一「この仕事をして良かったな」と思えました。
けれど確かに私のやり方では、このスピード社会の割に合っていないのです。


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農業は、すぐに結果を出すなんてことは出来ません。
ゆっくりじっくり日々を積み重ね、失敗も成功もすべて積み重ね、何年も経ってからようやく結果の糸口が見えてきます。
早く大量に生産するのではなく、ひとつひとつを確かめながら、ああでもない・こうでもないを、繰り返しながら。

だから、カネにはなりません。
でも、私はしあわせなのです。

海に行けば、お魚を獲ることができ、山に行けば、山の恵みを分けてもらえる。
その辺の雑草だって食べられるし、失敗した野菜も、小さいながら味わうことができる。
そして、やさしい沢山の人に支えられながら、何とか生きています。

価値を決めるのは、お金ではない。

だから明日も私はせっせと「カネにならないこと」に励めるのです。


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えりパカ&カロン

Author:えりパカ&カロン
Eco Farm Windy代表にして唯一の従業員えりパカと、マスコットキャラであり、ヤギファミリーのビッグダディ・カロン。
人工哺育で育ったカロンは、大人になった今でもえりパカの姿を見つけると尻尾を振って寄ってくる・・・犬のようなヤギさんです。

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